2025/07/30
「8時間座りっぱなし」の落とし穴:健康を守るためにできること
長時間座る生活が当たり前になっていませんか?
気温が高い夏の時期、私たちの運動量はますます減りがちです。特にデスクワークや運転、学生生活などで「1日8時間以上座っている」人は多いでしょう。しかしこの“座りっぱなし”の状態が、実は体にさまざまな悪影響を及ぼしているのです。
ずっと座っていると、体はこうなる
山梨の工場での見学を例に、ずっと座ったまま手作業をしている人々の様子を見て、私には「これは自分には無理だ」と感じました。その理由は、筋肉活動がほとんど行われず、血液が下半身に滞ることでむくみが生じ、姿勢が崩れていくからです。
姿勢が崩れるとは、具体的には骨盤が後傾し、背中が丸くなり、肩が前に、首も前に出てくるという状態。筋肉を使わない“楽な姿勢”を取り続けることで、筋力が低下し、やがては腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経系の病気、さらにはストレートネックや肩こり、偏頭痛といった問題にもつながっていきます。
問題は「座ること」ではなく「残りの時間の使い方」
実は、1日8時間座ること自体が悪いのではありません。大切なのは、そのほかの時間をどう使うかということ。睡眠を8時間とすると、残る8時間でいかに体を動かすかが重要になります。
昔は主婦の家事や日常生活の中にも多くの動きが含まれていましたが、現代では冷凍食品や調理家電の普及により、生活の中での運動量は減少しています。包丁を使わず、残飯も出ない生活が普通になりつつあるのです。
1日たった1時間の運動で体は変わる
そこで提案したいのが、残りの8時間のうち“1時間”をストレッチと軽い筋トレに使うこと。例えば、階段の上り下りや、テーブルや椅子の背もたれを使った腕立て伏せなど、自宅で簡単にできる動きで十分です。
こうした軽い運動を取り入れることで、血流が良くなり、むくみや冷え性、肩こりの改善にもつながります。何より、衰えやすい筋肉を維持する“筋肉の貯金”ができるのです。
「筋肉の貯金」は裏切らない
筋肉は鍛えれば鍛えるほど、将来にわたって私たちを支えてくれます。老後に備えて、若いうちから“貯筋”を始めることが理想的です。ただし、無理な負荷や体に合わないトレーニングはケガの原因にもなります。自分に合った方法で、無理なく続けることが大切です。わからない場合は、専門家に相談するのも良いでしょう。
まとめ:8時間座っている人ほど、残りの時間を意識しよう
ある研究では、長時間座りっぱなしの人は、死亡リスクが40%上昇するというデータもあります。だからこそ、座っていない時間をどう使うかが、健康寿命を左右するカギとなるのです。
日々の生活の中で、少しでも意識して動くこと。それが将来の自分を助ける大きな力になります。今日から“筋肉の貯金”を始めてみませんか?
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