2025/07/07
もう夏は「外で運動」してはいけない時代に

今の日本の夏は、30年前とはまったくの別物です。当時は「熱中症」という言葉すらほとんど知られておらず、炎天下でも野球部の練習が当たり前のように行われていました。確かにその頃も暑かったですが、今と比べると気温は5度ほど低かったのです。
最近では「熱中症カウンター」といった便利なツールも登場し、顔マークで危険度を視覚的に教えてくれる時代になりました。それほどまでに、夏の暑さは命の危険と隣り合わせになっているのです。
子どもと高齢者がとくに危険
熱中症になりやすいのは、まず小さな子どもたちです。幼稚園児や小学生、中学生の低学年は、食事量も少なく、必然的に水分摂取量も不足しがちです。加えて、体の大きさは「小さなお鍋」と同じ。同じ火加減で温めれば、小さな鍋の方が早く沸騰しますよね。それと同じように、子どもの体は熱がこもりやすいのです。
一方で高齢者も、また違うリスクを抱えています。加齢によって発汗機能が衰え、汗をかきにくくなるため、体温調整が難しくなります。汗は体を冷やすための大切な仕組み。これが働かないと、体内に熱がこもり、熱中症のリスクが格段に高まるのです。
室内でも油断は禁物
熱中症は屋外だけの問題ではありません。部屋にいても気づかないうちに体温が上がり、立ち上がった瞬間にめまいやふらつきを感じることもあります。特に高齢者や体調に不安がある方は、冷房の使用やこまめな水分補給を意識することが大切です。
夏に外で運動する必要は本当にある?
外気温が30度を超えるような時期に、体育や部活動を外で行うのは危険です。どうしても運動が必要な場合でも、水を一気に飲むのではなく、10分に1回程度、少しずつ口にするよう心がけましょう。
実際、多くの小学校では30度を超える日は屋外活動を制限しており、指導も徹底されています。問題は、自己判断で運動を続けてしまう大人たちです。特に岩手などの地域では、7〜9月は暑すぎて運動が難しく、10月にようやく動けると思ったら、11月には寒さがやってきます。実質、運動できる季節は年に3ヶ月ほどになってしまっているのです。
今こそ、屋内運動に切り替えよう
命を危険にさらしてまで外で運動する必要はありません。たとえば、地域の体育館や温水プール施設、高谷アリーナやふれあいランドのような場所では、わずか100円程度で快適な環境下で体を動かせます。
ただし注意したいのは、自己流での運動にはリスクがあるということ。最初は専門家のアドバイスを受け、どんな運動を、どのくらいの頻度で、どの程度やるのが自分に合っているかを学びましょう。そのうえで自分のスタイルを確立していけば、健康を損なうことなく、継続的に運動を楽しめるはずです。
まとめ:夏の運動は「場所」と「知識」で乗り越える
昔と今では暑さの質も、体への影響もまったく違います。だからこそ、今の私たちは「無理をしない」知恵を持つべきです。涼しい屋内施設の活用と、正しい知識に基づいた運動で、今年の夏も安全に乗り切りましょう。
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