2024/12/10
スポーツ選手の「痛み」と向き合う方法:無理せずパフォーマンスを守る秘訣

スポーツ選手に多い「痛み」の問題とは?
スポーツ選手、とくに小学生から高校生までの子どもたちは、日々の練習や試合の中で少なからず痛みを抱えることが多いものです。近年では指導者が「無理して続けろ」というような指導をする場面は減ってきていますが、それでも「痛みを訴えるとチームの中での立場を失う」という不安から無理をしてしまう選手も少なくありません。
特に、痛みを無視してプレーを続けると、パフォーマンスが低下するだけでなく、回復までの期間が長引く可能性があります。
痛みが運動パフォーマンスに与える影響
痛みは、運動パフォーマンスに直接的な影響を与えます。たとえば:
•野球肘:投げる動作を繰り返すことで肘の筋肉が硬直し、骨に負担がかかります。これにより、投球スピードが130kmから120kmに低下することも。
•疲労性骨膜炎(シンスプリント):短距離走選手に多く見られる疾患で、走るたびに骨に負荷がかかり、記録が落ちる原因に。
これらの痛みを抱えたままプレーを続けると、今できている運動能力がさらに低下するだけでなく、完治までの期間が大幅に延びるリスクがあります。
スポーツ損傷とオーバーワークの関係
スポーツ損傷の多くは「オーバーワーク(過負荷)」によって引き起こされます。しかし、どの程度が「過負荷」になるかは選手一人ひとり異なります。
たとえば、ある選手の体力を「大きなバケツ」、別の選手の体力を「小さなカップ」と例えると、同じ水(負荷)を注いでも、カップの選手はすぐに溢れてしまう可能性があります。この「溢れた状態」が痛みとして現れるのです。
痛みの注意サイン:どのタイミングで休むべきか?
痛みには、選手が見逃してはいけない「注意サイン」があります:
1.軽い痛み:運動後に痛みを感じるが、寝れば回復する。
2.中程度の痛み:1日の休息では回復せず、3日程度必要になる。
3.重度の痛み:長期間の休息が必要で、放置すると症状が悪化。
痛みが軽度のうちに適切なケアをすることで、長期間の離脱を避けられます。
スポーツ損傷の具体例とケア方法
以下は、スポーツ損傷の代表例と簡単な説明です:
•野球肘:投球時の負荷による肘の損傷。
•テニス肘:繰り返し動作による肘周辺の筋肉の炎症。
•ジャンパー膝:膝の腱に負担がかかることで発生。
•オスグッド病:成長期の膝下に痛みが出る症状。
これらは、適切なケアを行えば早期に回復可能です。ケアには休養だけでなく、ストレッチや筋肉の柔軟性を保つトレーニングが有効です。
痛みと向き合いながら続けるスポーツ
痛みを無視するのではなく、早めにケアを行うことで、競技を続けながらもパフォーマンスを維持できます。特に重要なのは「痛みを抱えながらどこまでできるか」ではなく、「痛みを軽減しながら競技を楽しむ」ことです。
早めのケアで未来を守る
痛みを抱えたまま無理を続けると、1日で回復する痛みが、1ヶ月以上の離脱を招くこともあります。早めにケアを行い、身体と心の健康を守りながら、スポーツを楽しんでください。
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