2025/10/27
知らなきゃ怖い不整脈と運動の境界線
最近、50代や40代といった比較的若い世代で不整脈が急増しているという話を聞くことが増えました。その背景には、Apple Watchなどのウェアラブルデバイスの普及が大きく関わっているようです。
不整脈とは、心臓の電気的な信号の伝達に障害が起きる病態です。これにより、心臓の拍動が正常に行われなくなります。特に無症状で気づきにくいケースも多いため、定期的なチェックが非常に重要です。
不整脈と「激しい運動」の危険な関係
不整脈を持つ人が注意しなければならないのが「運動」です。基本的には、あまり激しい運動は避けるべきとされています。
なぜなら、激しい運動によって全身の細胞に酸素を早く届けようと心臓が拍動を速め、脈拍が上昇するからです。通常、安静時の拍動は1分間に60~70回程度ですが、不整脈を持つ人の場合、脈拍が100回、あるいは120回を超えて息切れするような運動は極めて危険です。
例えば、階段を上って「ハーハー」と息切れするような負荷は避けるべきでしょう。拍動が正しく行われない状態で過度な負荷がかかると、心臓が誤作動(心室細動など)を起こし、突然心臓が止まってしまう、いわゆる「突然死」につながりかねません。死亡診断書では心不全といった形で記載されることが多いですが、その原因は不整脈である可能性があります。
セルフチェックで早期発見を
不整脈は自覚症状がないことが多いため、自分で気づくのが難しいのが実情です。もし不整脈が気になる場合は、手首などで脈拍を測ってみるセルフチェックが有効です。
通常、「トトントントン」と規則正しいリズムで脈を打つはずが、「ト・トン」や「トトント、トン」といった不規則な拍動がある場合、不整脈の可能性があります。1分間、脈に意識を集中し、イレギュラーな拍動がないか確認してみてください。少しでも異変を感じたら、専門医に相談することが大切です。
不整脈があってもできる運動:体幹トレーニングのすすめ
不整脈と診断された場合、ジョギングなどの「有酸素運動」は基本的に禁忌となることが多いです。しかし、健康を維持するためには一生涯、適度な運動を続ける必要があります。
そこで注目したいのが、「体幹トレーニング」です。
体幹トレーニングは、心拍数を急激に上げるほどの疲労度が伴わないものが多く、拍動が速くなることを避けやすいという利点があります。体幹トレーニングで鍛えるのは、関節を動かすための筋肉ではなく、以下のような生命維持に直結する筋肉です。
- 歩くときに転ばないようにする筋肉
- 正しい姿勢を保つ筋肉
- 異物を外に出そうとする反射的な動き(咳など)に関わる筋肉
これらの筋肉は、生命を維持し、QOL(生活の質)を保つために非常に重要です。体幹トレーニングは、関節運動を伴わなくてもできる筋力トレーニングであり、不整脈を持っている方でも比較的安全に取り組める運動と言えます。
不整脈だからと運動を諦めるのではなく、できる運動を見つけて体力の維持に努めましょう。「不整脈と運動」は結びつきにくいテーマかもしれませんが、健康的な生活を送るために、ぜひ体幹トレーニングの導入を検討してみてください。
気になる方は、フィジオセンター盛岡にご相談ください。
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