2025/09/23

シニア世代の女性が特に注意したい「大腿骨頸部骨折」と予防策

 

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「え、たったそれだけで!?」と驚かれるかもしれませんが、高齢の女性に多い大腿骨頸部骨折は、意外なほどちょっとした転倒や尻もちで起こることがあります。特に、椅子に座る際に勢いよくドスンと座っただけで骨折してしまうケースも。

大腿骨頸部骨折はなぜ起こる?

大腿骨頸部とは、太ももの付け根にある骨盤と大腿骨をつなぐ部分のこと。この部分は、股関節を覆うように位置していますが、まっすぐではなく、少し角度がついています。そして、この角度のついた部分の付け根が、構造的に細く、もろくなっているため、衝撃が加わると非常に折れやすいのです。

さらに、大腿骨頸部は、体幹から来る血管が栄養を供給しているのですが、骨折するとこの血管が切れてしまい、栄養が行き届かなくなります。そのため、一度折れてしまうと骨がくっつきにくいという特徴があります。これは、人間の体の中でも特に治りにくい骨のベスト3に入るほど。

この骨折は、圧倒的に年配の女性に多く見られます。これは、女性ホルモンの減少による骨粗しょう症が原因で、骨がもろくなりやすいためです。

 

「貯筋」が転倒と骨折を防ぐ!

転倒や骨折を予防する上で最も重要なのが、筋肉を貯める、つまり**「貯筋」**をすることです。年齢を重ねると、筋肉は自然と衰えていきますが、適切な筋力トレーニングを行うことで、その衰えを遅らせることができます。

筋肉は、転倒の原因となる「ふらつき」を防ぎ、体のバランスを保つのに役立ちます。また、ゆっくりと椅子に座ったり、階段を昇り降りしたりする際に、自分の体重を支えるだけの筋力があれば、ドスンと勢いよく座ってしまうような危険な動きも防げます。

 

骨折後のリスクと「80歳の壁」

もし、大腿骨頸部を骨折してしまったらどうなるのでしょうか?若年層であれば、ギプスで固定したり、手術でプレートや釘を入れたりして治療しますが、高齢者の場合はほぼ100%手術が必要になります。

しかし、80歳を超えると、手術をしないという選択肢を選ぶケースもあります。なぜなら、手術後はしばらく歩くことができず、その間に筋肉が急速に衰えてしまうからです。コロナ禍の調査では、たった2週間家から出ないだけで、筋肉年齢が4歳分も老けるというデータも出ているほど。

歩くために手術をしたのに、その治療期間に筋肉が衰え、最終的に歩けなくなってしまうというリスクを考えると、手術をしない方が良いと判断される場合もあるのです。その結果、一生車椅子での生活を余儀なくされ、行動範囲が大幅に狭まってしまうことになります。

 

どの筋肉を鍛えればいい?

 

では、「貯筋」のために具体的にどこの筋肉を鍛えればいいのでしょうか?

特に重要なのは、以下の4つの部位です。

・股関節周りの筋肉

・膝周りの筋肉

・足首周りの筋肉

・体幹

これらの筋肉をしっかり鍛えることで、ふらつかない、中間保持(空間で体を支える)ができる強い体を作ることができます。

 

専門家に相談して正しい筋トレを

 

筋力トレーニングは、ただ闇雲に行うだけでは、かえって体を痛めてしまう可能性があります。特に、年齢を重ねた体は、無理な負荷をかけると怪我につながりやすくなります。

「折れてからリハビリをする」のか、「折れる前に筋トレをして転ばない体を作る」のか。どちらにしても努力は必要です。辛い思いをする前に、専門家に相談して正しい知識と方法で筋トレを始めることが、健康寿命を伸ばすための第一歩と言えるでしょう。

「貯筋」をして、いつまでも自分の足で歩き続けられる体づくりを始めませんか?

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