糖尿病（予備群）に気づいたら：40歳から始める健康管理のすすめ

糖尿病やその予備群に該当する人の割合は、日本では年々増えています。

特に40歳を過ぎると予備群の割合は約13％にも上ると言われています。この病気の特徴は、自覚症状がほとんどないまま進行することです。そのため、「自分は大丈夫」と思って放置してしまう人が多いのが現状です。

しかし、糖尿病が進行すると深刻な合併症を引き起こします。

血管がダメージを受けることで、心筋梗塞や腎不全、失明といった重大な健康問題が発生します。特に腎不全になると、週に数回の透析治療が必要となり、自由な生活が制限されるだけでなく、体への負担も非常に大きくなります。また、毛細血管の詰まりによって、足の壊疽や切断といった状況にも陥る可能性があります。

さらに、糖尿病を放置すると平均寿命が大きく縮まるリスクがあります。糖尿病は命を直接奪う病気ではないものの、合併症による体の機能低下が、健康寿命だけでなく平均寿命自体を短くしてしまうのです。40代で糖尿病予備群と診断された場合、何も対策をしないと60代に症状が出始め、70代以降の生活に深刻な影響を及ぼします。

 

生活改善で進行を防ぐ3つの柱

糖尿病の予防と進行抑制には、次の3つの柱が重要です。

1. 食事療法

糖尿病を防ぐには、まず食生活を見直すことが大切です。多くの人が「甘いものを控えれば良い」と考えますが、実際にはご飯、パン、パスタなどの炭水化物が血糖値を急激に上げる主な原因となります。これらの食品を適量に抑え、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。また、家庭の食事習慣も見直す必要があります。家族全体で健康を意識した食生活を実践することで、糖尿病のリスクを大幅に下げることができます。

2. 運動療法

運動療法は、糖尿病予防と管理において非常に重要な役割を果たします。運動をすることで、余分なカロリーを消費し、血糖値のコントロールを助けることができます。また、筋肉を動かすことでインスリンの働きを助け、糖分を効率よく消費できるようになります。

多くの人が「運動する時間がない」「何をしたら良いかわからない」と感じているかもしれません。しかし、運動は必ずしも激しいものである必要はありません。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことから始めてみましょう。大事なのは、継続して体を動かす習慣を作ることです。

3. 薬物療法

糖尿病の管理において、薬物療法も欠かせません。血糖値を適切にコントロールする薬を服用することで、病気の進行を防ぐことができます。ただし、薬だけに頼るのではなく、食事療法や運動療法と組み合わせることが必要です。これらのアプローチをセットで行うことで、より効果的に糖尿病を管理することができます。

 

運動療法を無理なく続けるために

運動療法は糖尿病予防の中で特に重要な要素ですが、忙しい日々の中で運動を続けるのは簡単なことではありません。そこでおすすめなのが、ジムやフィットネスクラブの活用です。ジムでは、自分の体力や目的に合った運動プログラムを選ぶことができるため、無理なく続けられます。トレーナーのアドバイスを受けながら、効率的に運動を行うことができるのも大きなメリットです。

また、ジムに通うことは運動の習慣化にもつながります。仕事帰りや休日に決まった時間を運動にあてることで、継続的に体を動かすきっかけを作ることができます。ジムに通うのが難しい場合でも、オンラインフィットネスやYouTubeのエクササイズ動画を活用する方法もあります。自宅での運動も十分効果的ですので、自分に合った方法を見つけて取り組んでみましょう。

 

健康な未来のために、今から行動を

糖尿病は「今すぐ症状が出る病気ではないから大丈夫」と考えがちですが、放置すれば将来の健康を大きく損なうリスクがあります。健康診断で血糖値が高いと指摘されたら、それが予備群であっても、早めに生活を見直すことが必要です。

食事の改善、適度な運動、そして医師の指導に基づいた治療を組み合わせることで、糖尿病の進行を防ぎ、健康な生活を維持できます。40歳を過ぎた今が、行動を起こす絶好のタイミングです。健康な未来を守るために、無理なくできることから少しずつ始めてみましょう。