2024/11/26
体重管理と関節の健康:変形性関節症を予防するために
関節は私たちの身体の動きを支える重要な部分です。しかし、股関節や膝関節など、体重を支える主要な関節は過剰な負担がかかることで変形性関節症を発症することがあります。この記事では、その原因や進行の仕組み、そして予防策について詳しく解説していきます。
変形性関節症の原因:体重と骨の強度
骨格は身長の伸びが止まる段階でほぼ完成します。男性であれば20〜25歳、女性であれば18〜22歳ごろが目安です。この時期に骨の強度が決まり、その後は骨の成長は止まります。
ところが、多くの人はこの時期の体重よりも中年になると増加します。特に男性はお腹周りが大きくなりやすく、女性は出産などの影響で体重が増えがちです。**「二十歳の体重から2割以上増える」**と、関節への負担が大幅に増え、変形性股関節症や変形性膝関節症のリスクが高まります。
男女の違いと関節症リスク
男女で変形性関節症のリスクには大きな差があります。女性は男性に比べてリスクが8〜9倍高いと言われています。
男性の場合
男性ホルモンは筋肉を強化する働きがあり、体重が増えても筋肉が関節を支えるため、比較的リスクが低いとされています。
女性の場合
一方で女性ホルモンは脂肪を蓄える方向に働くため、筋肉を鍛えないと十分に発達しません。その結果、体重が増えると関節への負担が増し、変形性関節症になりやすいのです。例えば、上半身が太っているのに足が細いという体型の方は特にリスクが高いです。
初期症状と進行
初期の変形性関節症では、関節を動かすと「コリコリ」という音がすることがあります。これは軟骨がすり減る音ですが、軟骨には神経がないため痛みは感じません。しかし、進行すると軟骨が完全にすり減り、神経の多い骨膜が擦れることで強い痛みを感じるようになります。
この段階では、痛みを避けようとする歩き方が関節への負担をさらに悪化させ、軟骨がどんどん減っていく悪循環に陥ります。
予防のためにできること
変形性関節症の予防には以下のポイントが重要です。
1.体重の管理
二十歳の体重から2割以上増えないように意識しましょう。
2.筋肉を鍛える
筋肉は関節を保護する役割があります。特に女性は筋肉がつきにくい傾向があるため、定期的な運動で鍛えることが重要です。
3.関節の可動域を確保
ストレッチや適切な運動で関節を動かしやすい状態に保ちましょう。
痛みが出たらどうする?
痛みが出始めた場合、早めの対処が必要です。リハビリや筋力トレーニングを通じて関節の負担を軽減することが重要です。それでも改善しない場合は、人工関節置換術などの手術が検討されます。しかし、手術後も筋肉を鍛えなければ他の関節に負担がかかり、さらなる関節症を引き起こす可能性があります。
終わりに
変形性関節症は40代から発症することが多く、体重管理や筋力トレーニングによって予防が可能です。「痛みが出てから」では遅い場合が多いため、日頃のケアが重要です。少しでも関節に違和感がある場合や体重が増えてきた場合は、早めに対策を取りましょう。
健康な関節を守るためにも、ぜひお気軽にご相談ください!
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